梅雨どきの家

今年の梅雨は例年より早くて、しとしとと雨が降りやまない。菖蒲、紫陽花などの花が雨にぬれて美しい。田植えの早苗に鷺が舞う。

夕風や水青鷺の脛(すね)を打つ 蕪村

小糠雨、村雨、白雨、驟雨と幾通りにも呼び分けている。城ケ島に降る利休鼠の雨。雨は日本人の美意識の中にあるけれど、梅雨どきのじめじめ具合にはうんざりする。

漆喰の壁、杉の天井、檜の床。梅雨時でもさらりと気持ちがいい。湿気を吸い込んでしまうからだ。漆のテーブル、胡桃の椅子。木の感触、土壁の深呼吸、しっとりとした障子の白、梅雨時にこそ日本の家は梅雨時になると真価を発揮する。

テレビのコマーシャルで、華やかなモデルハウスが、どんなに高気密、耐震と言われても、昔ながらの木の家にかなわない。

ヴァイニング夫人は、「日本に来て初めて雨の美しさを知った」という。ニューヨークのビルの谷間に降る雨と、瓦屋根を濡らして落ちる日本の雨では、美意識が違う。

 

2011/06/13 09:38



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