曲げ物師 小笠原達夫さん 飯田市馬場町 電話0265-22-4780
馬場町というから昔は武家屋敷があったのだろう。先祖は武士。江戸時代は手内職として曲げ物を手がけていた。明治になって本格的に本業として始める。達夫さんは3代目。
蒸篭,曲げわっぱ。木を薄く削って丸く曲げて作る。檜は強さといい色艶といい,一番だ。時にはスギ,トウヒ,サワラも使う。
何年も寝かして木を乾燥させる。木はアテといって北側の条件の悪いところで育った方がいい。年輪が密になった曲げわっぱは木目も美しく,樹脂が乗っていて,いかにもねばりがありそうだ。素直な柾目じゃあこうはいかん。
ぱーんと割った木の表面を銑で削る。木なりにね。無理にねじったり,圧を掛けちゃあ,削った後,なめらかさがまったく違う。
薄く削った板を熱い湯の中に漬けて取り出す。浸けすぎても漬けたりんでもいかん。その加減はまったく勘でしかない。轆轤に掛けて挟むようにして曲げ込む。丸く輪になった合わせ目は桜の皮で縫う。
山仕事に入るとき,3食分の飯を五合わっぱにつめる。柾目のわっぱは通気性があり味が落ちない。軽いし保温もいい。菜入れはおかず用。
篩は金網を食込ませてぴたっと納めてある。篩に米を入れて回すと,米が立つ。小粒な米が篩落とされる。
弓の的も曲げ物。紙の張り具合がいいうえに,外れた矢が当たっても木だから傷めることもない。蒸篭,曲げわっぱ,柄杓。どんな曲げ物も手入れさえ良ければ100年持つ。
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