パキスタン フンザ  3

対岸のナガール村へヒスパー川沿いに行く。雪の山々が日を受けてまぶしい。ぼうらを背負った女の子が草の土手を駆け下りてくる。今日もまた草刈をしていたのだろう。珍しいジープが見えたので、急いでやってきたのだ。立ち止まってじっと見つめる表情がかわいい。いまどきこんな純粋な子がいるなんて、風の谷のナウシカを思わせる。宮崎駿の「風の谷のナウシカ」はフンザがモデルだという。
ホーパル氷河に着いた。はるか彼方の峰から、氷河はガリガリと地表を削ずりながら下りてくるから、すっかり灰色に汚れている。フンザは氷河がいたるところにある。何千年のスケールで流れてくる氷河は、たっぷりミネラルを含んでいる。
けわしい道を引き返す。白い山々を背に、農夫は今日もまた鍬を振るう。青い空の下、麦の芽が出揃い、アンズの花が咲きほころぶ。春の絨毯に乗っていれば、桃源郷の境地になる。こんな美しい村で、ずっと暮らしたていたい。これは内緒だが、女性はみな彫が深く、澄んだ黒目をしている。7色の谷を越えて流れていく風のリボン。

2011/02/23 17:12



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