人生は森のなかの一日

長田弘は現代の最高の詩人だと思う。『深呼吸の必要』『世界は一冊の本』『人はかつて樹だった』などの詩集がある。やさしい言葉で深い想いを語る。

「人生は森のなかの一日」は『詩ふたつ』に収録されている。そのなかの最初のフレーズ。

何もないところに

木を一本、わたしは植えた。

それが世界の始まりだった。

次の日、きみがやってきて、

そばに、もう一本の木を植えた。

三日目、わたしたちは、

さらに、もう一本の木を植えた。

木が三本。林は森になった。

森の木が大きくなると、

おおきくなったのは、

沈黙だった。

沈黙は、

森を充たす

空気の言葉だ。

2011/02/17 16:57



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